フロリダ州Q-Lab試験所の12万平米にわたる屋外耐候試験地と9百平米の屋内促進試験施設。
フロリダ州Q-Lab試験所
フロリダ州Q-Lab試験所で試験を実施中の試料数は、世界中の屋外耐候性試験施設の中でも最多です。この試験所は、マイアミから南へ下ったフロリダ州の最南端の先、アメリカ大陸の中でも唯一の真の亜熱帯地域に位置しています。我々はここで、自然の屋外暴露試験、試験所での促進試験、ならびに試料評価サービスを提供しています。これらはISO 17025認定を受けた委託試験サービスです。
フロリダという選択
フロリダは屋外暴露試験地として、国際的に知られるベンチマーク的ロケーションです。フロリダの亜熱帯気候における耐候性試験暴露は、現実性が高いだけでなく促進もします。フロリダでの1年間の太陽光は、他地域での数年の風化に相当する影響を及ぼすこともあるほどの強度です。Q-Labのフロリダ試験地は、強度な太陽光照射、高度の年間紫外線(UV)量、年間を通して高温、豊富な降雨、また非常に多湿という気候条件が特徴です。
この紫外線、湿気、熱の相乗効果が、屋外環境での素材の耐久性試験においてマイアミを理想的な場所にしてくれるのです。
極度に日が照り、多湿で暖かな気候は、以下のような特定の類の試験に特に有効であることが実証されています:
- 変色、色あせ、光沢の損失
- ひび割れ、剥離、チョーキング(塗膜劣化)、ブリスター(ふくれや気泡)
- 機能的強度の低下と物理的劣化
- コーティング、建築資材、一部のプラスティックのような湿気に弱い製品
- カビ、白カビ、菌類、藻を含む生物分解
- 促進腐食試験
多種多様な暴露技術
フロリダの試験所では、自然屋外暴露試験において様々な試料設置および暴露技術を用いた試験が可能です:
- 直接暴露法:
直接暴露は工業用コーティング材など多くの外部仕様素材の試験に採用される手法です。試料は表面部分が太陽に向くようにしっかりと固定されます。異なる用途に合わせ、様々な暴露角度や設置方法が用いられます。 - ガラス透過法:
この種の暴露法は織物/繊維製品や印刷用インキなどの屋内仕様素材に採用される手法です。試料は短波長の紫外線をブロックする3ミリの窓ガラスの背後に設置され、通常45度の角度で暴露を行います。 - ブラックボックス法:
車両の水平面で発生する、高温度や湿り気を含む環境条件を模擬する試験です。ガラス透過ブラックボックス暴露法は自動車内部に使われる素材の試験に用いられます。 - AIMボックス法(自動車内装用素材用):
このガラス透過暴露法は自動車内部の環境をシミュレートし、ダッシュボードのような大型コンポーネントの試料設置に適した試験法です。AIMボックスにはソーラートラッキング(太陽光自動追尾)機能が付いているものもあります。 - 塩水促進屋外腐食試験:
塩水噴霧を利用した直接暴露により、特にコーティングが施された金属の腐食を迅速且つ実環境に近似した形で起こすことが可能です。 - 白カビ試験:
フロリダにおける暴露試験では通常、太陽光を減らし、表面温度を低下、湿気を上昇させるためにパネルを北90度の位置に設置します。加えて、試料を草木の近く、あるいはその下に設置してカビの成長を促します。
試料設置技術と暴露角度はいずれも、受ける太陽エネルギーの度合い、試料温度、そして湿り時間に大きな影響を与えます。詳細情報をご希望の場合は、LL-9025 – 屋外耐候試験暴露手順書をご参照頂くか、あるいはQ−Labへ直接お問い合わせ頂き、どのオプションがお客様の試験プログラムにふさわしいかをご相談下さい。
フロリダ耐候試験・腐食試験法
フロリダでの屋外暴露試験は多種多様な耐候試験および腐食試験法に対応しています。以下はそのほんの一部です。より詳細な仕法リストについては、規格ページをご参照頂くか、弊社までお問い合わせ下さい。
- 直接・ガラス透過暴露法(ASTM G7、ASTM G24、ASTM D1435)
- ブラックボックス法(ASTM D4141;GM 9163P)
- AIMボックス法(GM 9538P, GM 7455M, GM 7454M, GM 3619M; GMW 3417, Ford DVM 0020, ASTM G201)
- 自然大気腐食(ASTM G50)
- 塩水促進腐食 – SCAB(ASTM D6675)
自然暴露試験は、あらゆる耐候(光)性試験において必要不可欠な役割を担います。試験所での促進耐候性試験を行う場合でも、自然屋外試験を合わせて実施することが推奨されます。さらに、フロリダとアリゾナの両試験地で製品の試験を行う企業も多数あります。