屋外における湿気の影響
大概の素材にとって水は共通の敵です。水は金属を腐食させ、有機物を腐敗させ、構成物を分解します。結露とは、混ざりものを含む(不純)水が大気と混ざり、飽和状態まで酸素を含んで蒸留された水を指します。この種の水蒸気は、酸素を含んだ状態で材料に接触、あるいはコーティングに浸透することから「攻撃水」とも呼ばれます。研究によると、屋外に置かれた素材は露という形で一日平均12時間凝縮水に曝されています。
QCT結露試験機
QCT試験機は結露(相対湿度100%)プロセスを利用して、露による金属や塗料、有機物の劣化をシミュレート、促進します。水蒸気の温度を上げることで自然暴露よりもその影響が促進されます。
QCT試験機に必要なのはごく普通の水道水です。水皿に入った水道水が蒸発する過程でそれが蒸留水に変わり、凝縮されて試料に結露するのです.
この試験機は、試料の厚みに合わせた温度差を作り出すために外気(設置室内空気)導入による空冷システムを採用した画期的な設計となっています。この温度差は結露の発生に必要な要因です。QCT試験機が従来の湿度試験機とは根本的に異なるという点は特記すべき重要なポイントと言えます。
多様な暴露サイクル
QCT試験機は、変化のない結露(相対湿度100%)状態の維持、あるいは高温の結露と乾燥の交互サイクルのいずれかに設定して頂けます。温度設定は室温から最高摂氏70度までの広範囲から選択が可能です。自動周期タイマーにより、ほぼ全てのご希望の湿潤/乾燥暴露サイクルに対応できます。周期設定は、室温より数度高いだけの温度でほぼ目には見えない結露を発生させる低湿度から、継続した高温下での滴るレベルの結露まで、幅広い選択肢が用意されています。
氷結はいくつかの劣化現象を促進させます。氷結/解凍サイクルは、濡れた状態のパネルを手作業でQCT試験機から取り出し、即氷結させて、その後再び試験機の中に戻すことで対応が可能です。
迅速で広用途
QCT試験機は以下の用途で使用することができます:
- 週末中に摂氏55度で塗料のブリスター耐性を評価する
- 120時間以内に摂氏38度で油性防錆剤の評価を行う
- わずか一日で工場で使用されているオイルの効果を評価する
- 数時間で冷間圧延製の亜鉛鉄板の表面反応性を試験する
- ブリスター、湿気、カビに対する木工仕上げの耐性を試験する
使いやすく設置も容易
QCT試験機を使えば、手軽にブリスター(ふくれや気泡)や腐食の試験が可能。電源を入れて水を入れれば準備完了です。試験機は、事務所や研究室、あるいは工場とどこにでも設置可能です。QCT試験機が排出する熱と水蒸気は、室内にもう一名、人が加わった場合とほぼ変わらないレベルです。また、QCT試験機に設置された試験パネルは、試験状態に影響を与えることなく何度でも点検が可能。パネルを取り外したら、その部分はそのまま空にしておけばOKです。
対応規格
QCT試験機は以下を含む複数の規格に対応しています:
- ASTM D4585:制御された結露によるコーティング材の耐湿試験
- ISO 6270-1:塗料及びニス―湿度(連続的結露)
- BS 3900(F9):耐湿性測定(連続的結露)