複合サイクル腐食試験
複合サイクル腐食試験以前は、従来の塩水噴霧(摂氏35度での継続的な塩水噴霧)が試験所での腐食シミュレーションの標準的な手段でした。しかし、従来の塩水噴霧法は屋外における自然の湿潤/乾燥サイクルを模擬するには不十分であったため、屋外との相関性が低い試験結果が出ることも度々でした。
Q-FOG複合サイクル試験機では、屋外条件を模擬するよう設定された反復サイクルを通して、試料が一連の異なる環境に曝されます。「プロヒージョン(Prohesion)」仕法のようなシンプルなサイクルは、塩水ミストと乾燥状態の2つのサイクルで構成されることが多々あります。より複雑な自動車試験法では、塩水噴霧と乾燥に加え、湿潤あるいは結露サイクルを組み込んだ多段階サイクルが必要となる場合があります。
一台のQ-FOG試験機で、一連の最重要腐食環境を周期的にシミュレートすることが可能です。極めて複雑な試験サイクルでもQ-FOGコントローラーで容易にプログラムすることができます。Q-FOG試験機が対応している試験仕法の詳細リストは、LF8110 - Q-FOG仕様、あるいは規格ページからご参照頂けます。
Q-FOG腐食試験機には2つのタイプがあり、SSPモデルは従来の塩水噴霧および「プロヒージョン」試験機能、CCTモデルは従来の塩水噴霧と「プロヒージョン」試験に加え、ほとんどの複合サイクル自動車用試験対応の相対湿度100%(結露)機能が加わったタイプになります。
簡単な設定と試料設置
Q-FOG試験機は、ミスト、乾燥、相対湿度100%(CCTモデルのみ)、一時休止の4段階のモードをサイクル式で設定できます。試験状態や時間、ならびに温度は、内蔵のマイクロプロセッサーで制御することが可能です。驚くほどシンプルなユーザーインターフェースにより、設定も操作も簡単。新しいサイクルの設定、あるいは設定済みのサイクルの中からお好きな設定を起動するのも素早く行えます。Q-FOGコントローラーには、警告メッセージ、定期サービスリマインダー、安全自動シャットダウンなどの完全自動分析機能も付いています。
Q-FOG試験機は低位置ベルトと開け閉めしやすい開閉口(蓋)で試料設置が簡単。SSP-600およびCCT-600モデルは75mm x 150mmサイズの試験パネル160枚、SSP-1100およびCCT-1100モデルは試験パネル240枚を格納できる容量を有しています。
ミスト分散の正確制御
Q-FOG複合サイクル腐食試験機は、量と距離を独立して変更できない従来のシステムと比べてより優れたミスト分散が可能です。多速度蠕動ポンプがスプレー用噴霧器に送られる腐食剤の量をコントロールし、同時に空圧制御器がそれを送り届ける距離を制御します。なお、Q-FOG腐食試験機の正確な運用には純水が必要です。
内蔵式溶液リザーバー
内蔵式溶液リザーバーにより、Q-FOG 試験機はスペースを最大限に生かしながら保守を最低限に抑えます。120 リットルのリザーバーは、ほとんどの試験を7 日間あるいは それ以上行うのに十分な容量です。このリザーバーは完全塩分フィルターと、溶液が少なくなった時にお知らせする内蔵型アラームを備えています。
迅速なサイクル
Q-FOG試験機は、その独自の内部チャンバーヒーターと強力な空冷/乾燥送風システムにより、驚くほど短時間で温度変更を行うことができます。追加の空気ヒーターを使うと非常に低湿潤な乾燥暴露が可能です。水ジャケット式の従来の試験機では、水の熱的質量により迅速なサイクルが行えず、また低湿潤環境を作り出すこともできません。
リーズナブルな価格
Q-FOG複合サイクル腐食試験機は、最高水準の試験技術、高い信頼性、簡単操作、低メンテナンスの全てを驚くほどリーズナブルな価格で実現します。
製品モデル (特徴タブも参照)
- Q-FOG SSP-600: 従来の塩水噴霧およびプロヒージョン仕様(容量640リットル)
- Q-FOG SSP-1100: 従来の塩水噴霧およびプロヒージョン仕様(容量1103リットル)
- Q-FOG CCT-600: 従来の塩水噴霧、プロヒージョン、相対湿度100%(容量640リットル)機能
- Q-FOG CCT-1100: 従来の塩水噴霧、プロヒージョン、相対湿度100%(容量1103リットル)機能
機能内容の比較には、LF-8110 - Q-FOG仕様、または特徴タブをご参照下さい。